【ラノベ感想】たった1年でも2人にとっては – 世界の終わり、素晴らしき日々より 1~3

  • 書籍名:世界の終わり、素晴らしき日々より
  • 著者名:一二三スイ、イラスト:七葉なば
  • 出版社名:KADOKAWA(アスキーメディアワークス)
  • レーベル:電撃文庫
  • 形式:ラノベ
  • 大きさ:文庫

某海外の掲示板サイトで紹介されていたので読んでみました。全3巻で完結。
イラストは芳文社のまんがタイムきららミラクにてとなりの魔法少女」を連載されていた「七葉なば」さん

あらすじ。原因不明の集団神隠しが突然発生し、世の中の大多数の人間が失踪してしまった世界。残された、それぞれ事情を抱える、性格の異なる10代の女の子の「コウ」と「チィ」が旅をする物語。
舞台は現代か近未来かの東洋(日本?)。数年前に独立を果たした「高国」。数ヶ月前に「チィ」達の国と「高国」が開戦し、それから間も無く謎の失踪が訪れた。
近い将来、現実の日本や周辺国が置かれるかもしれない状況が再現されている。

  • 日常度:★★☆☆☆
  • ギャグ度:★☆☆☆☆
  • 百合度:★★★☆☆
  • ストーリー度:★★★★★

1巻では人が死にます。少しグロい。
そして「チィ」の素性が明らかに。「コウ」と「チィ」が二人の仲を確かめ合うストーリー。
1巻を半分も読めば「コウ」の名前が何故「コウ」なのか察しがつくでしょう。

2巻はラノベっぽく恋愛やら何やらが描かれている。「コウ」と「チィ」が参加した「コミュニティ」には二人に年の近い男女が居り、複雑な関係が交錯する。
更に「コウ」の素性も明らかに。そして、二人は静かに「コミュニティ」を後にするのでした――。
1巻よりも登場人物が増し、ラノベっぽくなったことで2巻は非常に読みやすいです。

ところで2巻のあとがきに興味深い記述がありました。『大人の定義とは何なのだろう』。税金も保険料も支払う著者は成人と大人の違いに触れ、自らも含めてこれまで身の回りの成人の中で「大人」であった者が居たかは疑わしいと書いた。将来著者(に限らず)が子供をもうける際には即ち、『子供が子供を育てる……』ことになる。
私的には、大人の定義とは完全な人間のことであると思う。「子供」に育てられた「子供」が作った世界。それが脆く、善悪の基準も定かでない世の中となるのは当然のことと言えるだろう。
しかし良いイラストですねー

最終巻、3巻。今度はコウのターン。コミュニティを出る際に教えられたコウの元同居人を探す旅が始まりました。
まず訪れた街で移動に使っていた車のキーが盗まれる。何事かと思いながらも犯人を追いかけ、紆余曲折。最終的にその犯人は宝石店で「消えた」のでした。人が消えるって、アニメだとあれを思い出します。あれの場合は未練が無くなると消える仕組みでしたが、こちらの条件は何なのでしょうね……?最後まで明かされないままでしたが。
続いて北海道にやって来た。まず元同居人の呆気ない死に面食らい。そしてコウは右手を失ってしまう。
主人公が五体満足から離れるラノベも珍しい…。自分は初めて見ました。クライマックスが近付き、サービス精神も旺盛。
第5章はエピローグ。あれから10年経ち、「コミュニティ」で先生をやっているチィは結婚式を迎えようとしていたが……。顛末は読者の判断に委ねる形でも、コウやチィがそれぞれの職を投げ出すとは考えにくいのでその後は滞りなく結婚式が再開されたことでしょう。
綺麗なラストでした。物語ってエピローグを読むために読んでるようなものだと思うのです。

この作品はややリベラル寄りと思われる著者の信条が所々で窺い知ることのできる作品でもある。「愛国心」。これはシリーズを通した大きなアジェンダの一つでしょう。確かに愛国心、愛国は重要だ。民族愛、民族主義より重要だ。しかしそれ以上に重要なものがある。――『世界』。
国としての体をなさなくなった環境で、愛国心を叫び続けることは理解できない。その点で著者の主張は理解できる。
この世界でもっとも重要なことは新たな価値観を共有して国を作ることだと思う。

さて置き良い作品でした。おすすめですと言っても、ほとんど感想記事を書いてませんが。イラストも良いですね。

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