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- 書籍名:安達としまむら 4巻
- 著者名:入間人間
- 出版社名:KADOKAWA(アスキーメディアワークス)
- レーベル:電撃文庫
- 形式:ラノベ
- 大きさ:文庫
「なんだばしゃああ」から「逃げないぞー!」に進化した安達さんが見られる巻。そのファーストネームが「桜」であると1章早々に判明しましたが、入間人間WIKIイルティマニアさんによると3巻の時点で予測できていたそうです。ちなみに、しまむらは「抱月」。実在する芸術家と同姓同名、らしい。
もう一つちなみに。同Wikiによると4巻の時系列は、入間作品を総合的に参考にして計算すると、再来年の出来事となっているらしい。とすると、今頃図書室で「桜さん」と「私」が仲良くしている頃だろうか――。
あらすじ
2年になった安達はめでたくしまむらと同じクラスに。しかしお昼休み、しまむらは新たな友達と食事を始めてしまう…。さあどうする安達さん、というお話。
- 日常度:★★★☆☆
- ギャグ度:★☆☆☆☆
- 百合度:★★★★☆
- ストーリー度:★★★★☆
顔のにやけには気をつけないと…
P.42『こんな顔をしまむらに見られたら……』。残念ながら気付かれていますよ…。
深く観察でもしない限り、案外自分の表情って分からないものですよね。にやつきも赤面も制御出来ないから困る。
特に安達さんはこれからも苦労しそうです。
意外な恋敵登場か?
安達さんは恋とは認めていないけど意外な伏兵の登場の兆しあり。すなわち、しまむらの小学時代の朋友であった樽見。
しまむらが樽見と会うのは3巻以来。前回はそんな素振りを見せていなかったのにどんな心境の変化があったのでしょうか。お好み焼きを食ったり、お揃いのストラップ(これリラックマ?)を買ったり、手をつないだり。しまむらに関わると誰も彼(彼女?)も、安達のような挙動不審さを身につけてしまうのだろうか。
樽見との関わりの中で、しまむらも自らの人間関係への執着の無さを考えるきっかけになったりもします。
樽見視点も読んでみたい。そして安達と樽見のバトルも見てみたい。
新語録。「逃げないぞー!」
謎の「エキシャーマン」に街中で無理やり叫ばされた安達さん。限りなく怪しくも、安達さんにとってはしまむらとの関係を一歩前進させるための起爆剤には充分だったようです。……いや充分すぎるかな。
確かに1巻以来努力を続けてきたけどこれまでのイベントはしまむらなりの配慮があったからこそ実現していたのだろう。しかししまむらが新たな友達との関係を深めてしまっては、もはやしまむら側に期待はできない。ここで推すしかないと安達さんは判断したのだろう。
――そしてうん。頑張ったよ。
ただメンタル面も鍛えた方が良さそうです。
日常系ラノベは自己啓発本として役立つかもしれない。
あとがき
著者の入間さんについて考えてみました。先生が目指すものは「一番」、必要としているのは「繋がり」なのでしょう。相変わらず自由なあとがき(ラノベっていうのはどの方のもこんなものなのでしょうか)を読んで、根拠の無い予想をしてみます。
あと、著者の作品にはグロテスク、バイオレンス、ホラーなどの要素が付き物(この作品にはありませんが)。しかしどこかリアリティのある人物の性格や反応、対話、結末となっている。そこから察すると現実味を帯びてるけど入間先生らしいラストが幾つか見えてくるような気がしませんか。
のんさんのイラストも相まって(シリーズで最も良いイラストだったと思う)ラノベ史に残る作品のポテンシャルは充分備えている作品だと理解するのは難くない。あ、ガチで良作なのでは無いかと思い始めてきました。
ちなみに5巻は2015年11月10日発売予定。楽しみに待ってます。
続編の感想はこちら
続編のWeb小説「『今日の安達さん』、『今日のしまむらさん』、『もしみんな小さかったら』」(2015年11月10日発売予定の文庫5巻に収録)の感想記事はこちらです。
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